ご覧いただきありがとうございます。
「最弱フェニックス」、と申します。
今回の記事は、日本独自の車両規格である、
「軽自動車」、に本格ハイブリッドカーは
存在するのか?についての記事です。
結論的には、存在しません。
ただし、ここで定義する本格ハイブリッドカーは、
「電気モーターのみで走行できる車両」、
とします。
電気エネルギーを、補助的な動力として
用いる車両は存在しています。
軽自動車にハイブリッドカーが無い理由について、
解説していきます。
また、軽自動車に採用させれている、
ハイブリッドシステムの解説もしていきます。
- 何でハイブリッドカー無いの?
- これから、軽自動車を購入予定の方。
- うちの車は「HYBRID」って書いてあるけど。
と言った疑問をお持ちの方に向けた記事です。
ハイブリッドカーって普通の車とどう違うの?
ガソリンエンジンと、電気モーターを組み合わせた
動力システムです。
ガソリンエンジンと、電気モーターの、
「良い所取り」、と言った感じです。
さらに、「回生エネルギー」、と言って
従来は捨てていたエネルギーを、
再び電気エネルギーとして再生しています。
省エネに最も貢献しているのが、この部分でしょう。
「低燃費かつ、低公害」、が特徴です。
エコで経済的です。
ガソリン代が安くすむのはもちろんですが、
税金関係でも優遇が受けられます。
詳しくは、ハイブリッドカーの解説の記事があるので、
そちらもご覧ください。
軽自動車の本格ハイブリッドが存在しない理由
大きく4つの理由が挙げられます。
- 元々燃費がいい
- 車両価格が高騰する
- スペースの制約が厳しい
- 車体重量が増加する
軽自動車は元々燃費がいい
軽自動車は、普通自動車より小さな車体を、
小さなエンジンで走行させているので、
元々が低燃費です。
「低燃費で、経済的な車種の発売」、が、
開発の原点でもあります。
10年ほど前の車両でも、
ガソリン1リットルで、
20km程度は走行可能な性能を持っています。
現行の車両ではガソリン1リットルで、
30km程度走行可能な、燃費性能を持っています。
これは、初代のプリウスと同等の性能です。
非ハイブリッドカーでこの性能なので、
ハイブリッドシステムを搭載する意味がなくなってきます。
車両価格が高くなる
ハイブリッドシステムの搭載により、
単純に車両価格は上昇します。
軽自動車は、車両価格の安さも、
大きなセールスポイントです。
ハイブリッドシステムを搭載すると、
その機器の分だけ価格が上昇します。
さらに、ハイブリッドシステム一式は、
「軽自動車専用システム」、になるので
他車種への転用が難しく、その開発費用を、
搭載した車両のみで請け負うことになります。
自動的にハイブリッド搭載車種と非搭載車種での
車両価格差が大きくなり、ハイブリッド車が
売れにくくなります。
スペースの制約が厳しい
軽自動車には、ハイブリッドシステムを
搭載する場所が、すでに残されていません。
軽自動車は、
全長3.4m以下、
全幅1.48m以下、
全高2m以下、
と言う限られたサイズで、
製作しなければなりません。
現在新車販売されている軽自動車の大半は、
この規格を目一杯使い切って製造されています。
厳しい制限にもかかわらず、
普通自動車以上の居住空間を実現しています。
しかし、その空間にはすでに余裕がなく、
ハイブリッドシステムを搭載するには、
大きな設計変更が不可欠です。
居住空間の削減も避けては通れないでしょう。
「コンパクトな車体に広い空間」、
が売りの軽自動車ですから、
メリットが失われてしまいます。
車体重量が増加する
元々軽い軽自動車の重量増は、
大きなデメリットになります。
重量が重たくなると、燃費が悪くなるので、
ハイブリッド化で得た燃費を、
大きく失ってしまいます。
重量増加の理由は2点あります。
まず1点目は、
単純に機器が増えるのでその分の重量が
増加します。
ハイブリッドシステムは、
比較的重量が重たいパーツで
構成されています。
これらを搭載すると、
車体重量が一気に増えます。
普通自動車に比べて、
かなり軽量に設計されている軽自動車に、
この重量増はかなり大きな負担になります。
2点目は、増えた重量への対策によって
増加する分です。
重量が増えると、その重量に耐えるために、
車体各部の強度への要求が大きくなります。
ボディは補強が必要となり、重量が増えます。
その増えた重量に耐えるように、
タイヤを含めた足回り、と呼ばれる部分に
強度が必要になります。
車体の重量が増えると、それだけ制動距離が長くなるので、
ブレーキ部分も強力な物が必要です。
これらの補強とハイブリッドシステムで、
重量が増加します。
重量が増えると、ハイブリッド化しても、
燃費や走行性能で大きな効果が得られません。
これでは「ハイブリッド化の意味がない」、
と言った状態です。
ハイブリッド化するデメリットも多い
軽自動車の本格ハイブリッドカーが存在しないのは、
軽自動車のメリットと、ハイブリッドカーのデメリットが
ちょうど合致しているからです。
低燃費、
低価格、
広い車内、
軽量な車体、
と言った特徴が軽自動車のメリットです。
ハイブリッド化すると、
これらのメリットが失われてしまいます。
特に価格の上昇は軽自動車としては
防ぎたいところです。
これらの理由から、
軽自動車には、本格ハイブリッドカーは
存在しないわけです。
限定的なハイブリッドの軽自動車は存在する
実は軽自動車の中には、
「HYBRID」、のエンブレムを装着し、
ハイブリッド車を売りにした車両は
存在しています。
実際に所有されている方もいらっしゃるでしょう。
マイルドハイブリッド方式
比較的補助的なハイブリッドシステムです。
特徴として、電気モーターのみでは走行しません。
あくまでも、エンジンの補助としてモーターが駆動します。
エンジンをモーターが補助する方式
エンジンの部品の1つであるオルタネーターを、
補助モーターとして使用する方式です。
極低速状態からの発進時に、
エンジンをサポートします。
こちらはあくまでも、補助モーターなので、
単体での走行は出来ません。
エンジンの回転力を補助しているモーターです。
車両で使用する電力をバッテリーに蓄える方式
こちらは、エンジンの回転自体を
補助する役割はありません。
自動車は、自車が使用する電力を、
自らのエンジンの力で生み出しています。
この電力を一時的に蓄えれば、
エンジンの出力を抑えることが出来るので、
燃費向上に役立ちます。
減速時などに発電出来るので、
エネルギーロスを抑え、
燃費が向上します。
マイルドハイブリッドの特徴
- コストが抑えられる
- 車両のスペースを圧迫しない
- 構造が比較的簡単
- 車体重量が増加しにくい
これらの特徴が、軽自動車にちょうど合致することから、
軽自動車には、マイルドハイブリッドが採用されがちです。
一部の普通自動車でも採用
日産自動車の「S-Hybrid」、や
SUBARUの「e-BOXER」、等が該当します。
コストを掛けずにハイブリッド化したい場合や、
エンジン車本来の走りを犠牲にしたくない車両、
等が採用しがちです。
最後に
まとめとして、今回の記事を
振り返っていきます。
軽自動車に本格ハイブリッド車が
存在しない理由は、
- ハイブリッド化しなくても燃費がいい
- 車両価格が高騰する
- スペースの制約が大きい
- 車体重量が増加し燃費が悪化する
これらの理由が、軽自動車のメリットを
相殺してしまいます。
このため、軽自動車に本格ハイブリッドは
存在しないのです。
軽自動車は、マイルドハイブリッド方式を
採用しています。
こちらの方が、軽自動車には相性がいいんです。
元々燃費の良い軽自動車ですが、
マイルドハイブリッドを採用する車両が増えています。
それだけ、燃費や、排出ガスに関する要求は厳しいです。
「ハイブリッド」、と言うイメージも、
販売促進に一役買っている様です。
この記事が、皆様の充実したカーライフの
お役に立てれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。